石油プラ完全脱却を目指した、世界最大のおもちゃメーカー
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世界最大の玩具メーカーってどこかご存じでしょうか?

「やはりアメリカのメーカー? ハズブロとかの……」

「いや、歴史のあるドイツのメーカーでは?」

「いや、近年は中国のメーカーが台頭しているのでは?」

「何言ってるんだ、我が日本のメーカーだろ?」

そんな会話が聞こえてきそうですが、事実は異なっています。世界最大の玩具メーカーは、デンマークのレゴ社です。そう、あのレゴブロックで有名な会社です。そう言えば、デンマークには本家本元のレゴランド・パークがありますね。日本にも2017年、名古屋市にレゴランドができました。

興味の深さはそれぞれかもしれませんが、誰もが一度は遊んだことがある、それがレゴブロックではないでしょうか?

そのレゴ社が石油由来のプラスチックから完全に脱却しようと試みていたことをご存じでしょうか?

「レゴ社は2021年、石油由来のABS樹脂の代替素材として、使用済みペットボトルなどをリサイクルしたrPET(リサイクル・ポリエチレンテレフタレート)を原料とするブロック玩具を試作した」。ところが「rPETを使うには新しい設備や装置が必要となるため、カーボンフットプリント(製品サイクル全体の二酸化炭素排出量)がかえって多くなることが判明した」(日本経済新聞2023年10月5日朝刊)。結果、石油プラ完全脱却を撤回したとのこと。

レゴ社が1年間に製造するブロックは数百億個にのぼる。障壁は多いだろう。だが、世界一の玩具メーカーがこうした試みをすることが素晴らしいではないか。今回の撤回は残念ではあるが、それでも「同社はABS樹脂の3つの構成要素(アクリロニトリル、ブタジエン、スチレン)のそれぞれについて植物由来の素材やリサイクル素材を段階的に導入することにより、持続可能性の向上を目指している」という。

レゴ社の矜持。この世界的メーカーにならって、他の玩具メーカーも追従して研究してもらうことを切に願っています。